Cosmic Blue 20mm アイピース
(2群4枚構成、シャープネスと高コントラストを追求した広角アイピース)
見かけ視界:70度
レンズ構成:2群4枚
アイレリーフ:10mm
コーティング:全面マルチコート
重量:110g
寸法:長さ70mm、直径36mm
φ31.7mm用フィルター取付不可
メーカー:北軽井沢観測所
CosmicBlueは青色の花をつける『サルビア』の1品種です
【広角~超広角アイピースはできないの?】 これが最も多いお問い合わせです
ドブソニアンのような大口径の短焦点鏡は深宇宙の探訪に最も適した機材ですが、その特徴を最大限に引き出すことのできるアイピースは何と言っても広視野アイピースでしょう。
現在はナグラーを筆頭に視野角が70度以上の『広視野~超広視野アイピース』を購入することができます。
しかし、カメラの広角レンズがそうであるように超広視野アイピースも視野周辺に向かって諸収差が大きくなります。市販の超広視野アイピースは諸収差を軽減しながら広視野を実現するためにレンズ構成枚数の多い凝った光学設計をしていることが解ります。
レンズ構成枚数が多くなれば収差補正の設計自由度が増えることは確かですが、光損失、ゴーストやコーティングに起因する視野着色が増加するなどのレンズ設計では解決できない新たな問題も生じてきます。
せっかく超広視野アイピースに挑戦するのであればこれまでの市販品にない特徴を出さなければ意味がない・・・、そのような意識を持ちつつCosmicBlueアイピースを開発しました。
【少ないレンズ構成枚数で広視野を実現する挑戦】 やはり基本を重視するとプローセルから
整像性の高いアイピースとして知られている『アッベ式オルソ』や『プローセル式オルソ』、単レンズでは『ラムスデン』などの前後対称系アイピースは視野の周辺まで歪曲収差が良く補正されています。
しかしこれらのアイピースに見かけ視野が60度以上の製品はありません。
一般的な広視野アイピースでは光路の第1群にスマイスレンズを配置して光束を一度広げた上で直径の大きな第2群レンズを使い見かけ視野を広げています。
この原理を応用してメニスカス面をもち、かつ正のパワーを持つアクロマートレンズ2枚を用いてプローセル式の構成にすれば第1群の視野側(第1面)がスマイスレンズと同様の効果を発揮して見かけ視野を広げることができます。
更にこのときの第2群のメニスカス面はひとみ側に来るので第1群レンズをより広い視野角で見ることができるようになります。また第1群も第2群も独立したアクロマート設計なので複数の群で色消しを実現する一般的なアイピースよりも色収差を少なく抑えることができます。
レンズ構成枚数の少ないプローセルは構成枚数の多い超広視野アイピースよりも光損失やコントラストの面で有利になります。
CosmicBlue はこのような光学概念に基づいて設計したアイピースです。
2群4枚、最少レンズ枚数で達成したプローセル式アイピースの爽やかな像質をお楽しみください。
北軽井沢観測所 大久保秀一