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FLT 110 Triplet APO Light天体望遠鏡

今回、自己所有のタカハシTSA102(以下TSA)と友人所有の  FLT 110Triplet APO Light(以下FLT)とを二本並べて三夜に渡り比較観望する機会がありました。
この二本の違いは結構皆さん気になるところかもしれませんので、
見え方ではなく、あえて二本の違いについて報告させて頂きます。

TSAはご存じのように非常に優秀な光学系で定評がある鏡筒で、一方FLTはTSAよりも口径が8㎜大きな台湾製のビジュアル系?鏡筒、その二本が並んでいます。
では、一体どちらがよく見えるのだろう?ということになり今回の比較となりました。
国産10センチ最新鋭アポの力で口径差を跳ね返すのか? お互い興味津々です。

光軸はどちらも完璧です、FLTの所有者であるM氏によるとFLTは販売元のスタークラウドで一台ごとに星像検査した後で出荷されているらしいですね、これは海外製品を買うときには非常に安心でき有り難いことです、さすがは正規代理店です。

色補正に関しましては意外と言えば失礼なのですが眼視では全くの互角です。どちらも焦点内外像に色の差が殆ど無く、どの天体対象や地上物を見ても非常に高レベルの補正が施されています。 
中国製アポはもちろん、国産の2枚玉EDやフローライトよりも明らかに優れた色補正だと思います。

内外像とベガで見たロンキー像から判断できる範囲の球面収差ですが、TSAは僅かに負修正、
一方FLTはTSAよりもな大きく負修正寄りとなっていました。 
「高倍率では差が出ちゃうかな?」と言いつつも雲が出てきたので続きは翌日に。
翌日、土星から見始めました。 (アイピースは同じ物をそれぞれ二本用意して直視で比較) 
250倍まではどちらも破綻する様子が無く輪郭まで締まった像で本体模様まで同じような見え方ですが、250倍になりますと口径差によってFLTの方が少し明るく見えます。 
FLTは球面収差の影響さほど感じられず、惑星だけでなく恒星像もそれなりにシャープに見えます。
これ以上の倍率での土星はシンチレーションが悪く、比較が困難で断念。

明け方、気流も落ち着き出した頃の木星を見ました。
250倍まではやはり2本同じ傾向です。しかし300倍ともなりますと少し差が出てきたように見えます。
TSAは250倍を暗くしただけのキレのある像に対してFLTは少し輪郭が甘い印象なのですが、
もしかしたらFLTの像が明るい分だけ粗が見え安いのかもしれない、その程度の差です。
元々8㎜の口径差があるのでFLTが有利(シンチレーションに関しては僅かに不利)なのですが、
FLTの対物レンズはF値が8のTSAよりも小さい7なので、その分はある程度相殺されているかなと思います。
結果として差があるとしても、「二本並べてかろうじて分かる程度の差」だということで意見がまとまりました。
ロンキー等の結果が全てではないとよく耳にしますがその典型なのでしょうか。

余談になりますが、外観に関しましてはFLTの圧勝、まぁ見た目では両極に位置すると思われる二本なので仕方ないのですが、
FLTの仕上げの美しさはネットのカタログ写真では伝わない重厚なもので、これには正直驚きました、部屋に飾れる望遠鏡です。 
ファインダーは別売だったらしいのですが、マイクロフォーカスや接眼部の回転装置もついており
なんと言っても特筆すべきはケースの立派なこと! よくある中国製に付いてくるアルミケースとは
雲泥の差で、工夫されたロック機構、堅牢な作りで私はこのケースになら3万円は出します。
TSAには鏡筒バンドも付いていないこともあり、同じ価格帯とはいえFLTのお買い得感は非常に高いですね。

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